古い歴史をもつサラーメ(サラミ)は、中世に生まれ、地中海沿岸の全域にわたって広く普及していきました。サラーメの特徴は、それぞれの歴史的・地理的起源によってさまざまに異なります。長い歳月の中で数えきれないほどの特産品が生まれ、挽き方(細挽き、中挽き、粗挽き)、サイズ、使用する材料の違いによって、クラシックで濃厚な味わいから、辛味のあるもの、燻製したものなど、多彩なサラーメが作られるようになりました。
いくつかの主要工程は、どの種類のサラーメにも共通しています。原材料には豚肉の最も良質な部位、主に肩肉が用いられます。これを挽いたものに、塩と香辛料のミックスを加えて混ぜ、腸に詰めます。その後、特設の貯蔵室で乾燥させ、熟成工程の完了を待ちます。熟成期間は製品の大きさや特徴によって異なります。
サラーメに最も広く用いられる香辛料は塩と胡椒ですが、他にも、ニンニク、ナツメグ、ネズの実(ジュニパー)、ミルトの実などが使用されます。トスカーナのサラーメはフィノッキオ(フェンネル)が用いられるのが特徴ですが、マントヴァではニンニク、イタリア南部ではペペロンチーノ(唐辛子)を多用します。パダーナ平野やピエモンテ州のサラーメには、地元産の赤ワインが加えられることもあります。
10品目のサラーメにEUの品質認証マークがつけられています。サラーメ・ブリアンツァDOP、サラーメ・クレモーナIGP、サラーメ・ドーカ・ディ・モルターラIGP、サラーメ・ディ・ヴァルツィDOP、サラーメ・ピアチェンティーノDOP、サラーメ・サンタンジェロIGP、サラミーニ・イタリアーニ・アッラ・カッチャトーラDOP、サルシッチャ・ディ・カラブリアDOP、ソプレッサ・ヴィチェンティーナDOP、ソップレッサータ・ディ・カラブリアDOP。