スペック・アルト・アディジェ(アルト・アディジェ産スペック)IGPは、二つの保存方法の融合から生まれました。すなわち、ヨーロッパ中部に伝わる燻製技術と、地中海沿岸地域の塩漬け技術です。実際、この製法でなければ、スペック・アルト・アディジェIGP特有の、甘さ(まろやかさ)と燻製風味が絶妙なバランスで融け合うあの味は作り出すことができません。
スペックは、豚のもも肉を丸ごと用いて作られます。もも肉は骨をはずし、「バッフェ」と呼ばれる独得の形状に整形して、塩、ニンニク、白胡椒、黒胡椒、ローリエ、ネズの実(ジュニパー)、ナツメグ、その他の香辛料や香草で風味を整えます。30日間ほど寝かせたのちに所定の部屋に移し、デリケートできわめて重要な燻製工程に入ります。薪には楓やブナなどが用いられ、ネズの実が加えられます。熟成期間は平均で22週間。この間に熟成が完成し、調和のとれたアロマが生まれるのです。